アゼルニジピン

アゼルニジピン
IUPAC命名法による物質名
  • 3-1-Benzhydryl-3-azetidinyl 5-isopropyl 2-amino-6-methyl-4-(m-nitrophenyl)-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate
臨床データ
販売名 CalBlock
Drugs.com 国別販売名(英語)
International Drug Names
法的規制
  • (Prescription only)
投与経路 Oral
識別
CAS番号
123524-52-7 ×
ATCコード none
PubChem CID: 65948
ChemSpider 59352 チェック
UNII PV23P19YUG チェック
KEGG D01145  チェック
ChEMBL CHEMBL1275868 ×
化学的データ
化学式C33H34N4O6
分子量582.64 g/mol
  • [O-][N+](=O)c1cccc(c1)C5C(/C(=O)OC(C)C)=C(\NC(\N)=C5\C(=O)OC4CN(C(c2ccccc2)c3ccccc3)C4)C
  • InChI=1S/C33H34N4O6/c1-20(2)42-32(38)27-21(3)35-31(34)29(28(27)24-15-10-16-25(17-24)37(40)41)33(39)43-26-18-36(19-26)30(22-11-6-4-7-12-22)23-13-8-5-9-14-23/h4-17,20,26,28,30,35H,18-19,34H2,1-3H3 チェック
  • Key:ZKFQEACEUNWPMT-UHFFFAOYSA-N チェック
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アゼルニジピン(Azelnidipine)は、ジヒドロピリジン(英語版)系のカルシウム拮抗剤の一つである。商品名カルブロック。日本の三共が開発した。L型カルシウムチャネルを阻害して血管平滑筋の弛緩効果を示す[1]ニカルジピンとは違い、服用後の効果発現が緩やかで降圧効果が長く続き、心拍数を上昇させない[2]オルメサルタン メドキソミルとの合剤がある。

効能・効果

高血圧症

禁忌

アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、ミコナゾール等)、HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、サキナビル、インジナビル等)、コビシスタットを服用中の患者には禁忌である[3]

副作用

添付文書に記載されている重大な副作用は、肝機能障害、黄疸、房室ブロック、洞停止、徐脈である。(全て頻度不明)

使用成績調査での副作用発現率は、3.5%であった。

薬理作用

低濃度ではアゼルニジピンはL-型カルシウムチャネルを選択的に阻害し、N-型カルシウムチャネルおよびT-型カルシウムチャネルを阻害しない[1]。アゼルニジピンを単回経口投与すると、血圧は徐々に低下し、投与5〜6時間で最低値を示し、その後徐々に元に戻る。アゼルニジピンの脂溶性が高いので血管組織への親和性が高く、血中濃度のピークより遅れて血管組織内濃度がピークを迎え、血中濃度が低下した後も血管組織内に滞留する[1]。血漿レニン活性(PRA)にはほとんど影響を与えない。

血圧の低下にもかかわらず、主要臓器の組織血流量は維持され、腎臓では血流が増加する。アゼルニジピンは圧受容体反射を生じ難い上、心臓に直接働き掛けて若干の心拍数低下をもたらす。しかし、房室伝導(PQ間隔)遅延や心収縮力低下は生じ難い。

またアゼルニジピンは強力な抗酸化物質であり、動物実験では動脈硬化抑制効果を持つ[4]

出典

  1. ^ a b c 佐田 登志夫, 齋藤 宏暢 (2003-11-20). “持続型カルシウム拮抗薬アゼルニジピン(カルブロック)の薬理特性と臨床効果”. 日本薬理学雑誌 122 (6): 539-547. doi:10.1254/fpj.122.539. https://doi.org/10.1254/fpj.122.539 2016年5月16日閲覧。. 
  2. ^ Oizumi K, Nishino H, Koike H, Sada T, Miyamoto M, Kimura T (September 1989). “Antihypertensive effects of CS-905, a novel dihydropyridine Ca++ channel blocker”. Jpn. J. Pharmacol. 51 (1): 57–64. doi:10.1254/jjp.51.57. PMID 2810942. https://doi.org/10.1254/jjp.51.57. 
  3. ^ “カルブロック錠8mg/カルブロック錠16mg 添付文書” (2014年3月). 2016年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月16日閲覧。
  4. ^ 柳澤輝行,増宮晴子,渡邊春男『[https://web.archive.org/web/20130626081223/http://ir.library.tohoku.ac.jp/re/bitstream/10097/40208/1/YANAGISAWA-Teruyuki-01-09-0015.pdf 循環器病の 薬物療法]』メジカルビュー、2006年、188-199頁。ISBN 4-7583-0143-3。 オリジナルの2013年6月26日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20130626081223/http://ir.library.tohoku.ac.jp/re/bitstream/10097/40208/1/YANAGISAWA-Teruyuki-01-09-0015.pdf 
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