クシャトリヤ

曖昧さ回避 この項目では、古代インドの階級について説明しています。その他の用法については「クシャトリヤ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

クシャトリヤ: क्षत्रिय Kṣatriya: Khattiya [カッティヤ]、刹帝利)は、古代インドバラモン教社会におけるヴァルナ制度の第2位である王族・武人階級[1]

概要

上位階級に聖職者・僧侶階級であるバラモンを戴き、下位階級のヴァイシャ(庶民)とシュードラ(隷民)の2階級を統治する階級である。バラモンが最上位階級であることの権威づけは、ヴェーダなどによって裏付けられている。ただし、現実社会においては、他にジャーティ (jāti) という階級制度が機能しており、こちらが今日のインドの数千種存在するとされるカーストに相当している。よってヴァルナとカーストとは、厳密に言えば、同一視されるべきものではない。

仏教の開祖釈迦は釈迦族の王子であり、ヴァルナの中ではクシャトリヤに属した。また、仏教を保護したマウリヤ朝アショーカ王クシャーナ朝カニシカ王もクシャトリヤ階級に属している。

神話的起源

リグ・ヴェーダ』に収載された「プルシャ賛歌」によれば、神々が祭祀を行うにあたって原人プルシャを切り分けた時、巨人の口の部分がバラモン、巨人プルシャの両腕がラージャニヤ(クシャトリヤ)となったという。なお、両腿はヴァイシャ、両足はシュードラとなったとされている[2]

東アジア仏教圏における文化的影響

朝鮮半島

三国遺事』巻三・皇龍寺(中国語版)九層塔条には、

慈藏法師西學。乃於五臺感文殊授法、文殊又云、汝國王是天竺刹利種。王預受佛記。故別有因緣。不同東夷共工之族。 — 三国遺事、巻三、皇龍寺九層塔条

とあり、新羅王はクシャトリヤであると主張している[3]

脚注

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注釈

出典

  1. ^ 「クシャトリヤ」 - 世界大百科事典 第2版
  2. ^ 辻訳『リグ・ヴェーダ讃歌』(1970)p.320
  3. ^ 李成市『古代東アジアの民族と国家』岩波書店、1998年3月25日、234頁。ISBN 978-4000029032。 

参考文献

関連項目

外部リンク

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  • 「インド理解のキーワード——ヒンドゥーイズム——」山上證道(京都産業大学『世界の窓』第11号)
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