ジャノメチョウ

曖昧さ回避 この項目では、ジャノメチョウ亜科に属する生物種 Minois dryas について説明しています。本種の上位分類については「ジャノメチョウ亜科」をご覧ください。
ジャノメチョウ
ジャノメチョウ 上:オス、下:メス
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: 鱗翅目 Lepidoptera
: タテハチョウ科 Nymphalidae
亜科 : ジャノメチョウ亜科 Satyrinae
: ジャノメチョウ属 Minois
: ジャノメチョウ M. dryas
学名
Minois dryas
(Scopoli1763)
和名
ジャノメチョウ
(蛇目蝶)
英名
The Dryad
亜種
  • M. d. bipunctata (Motschuksky, 1860)

ジャノメチョウ(蛇目蝶、学名Minois dryas)は、タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科ジャノメチョウ属に分類されるチョウの1種。

特徴

ジャノメチョウ亜科ではヒメウラナミジャノメとともに、比較的よく見られる蝶。は表裏ともに一様に茶褐色で、前翅に2つ・後翅に1つの眼状紋があるが、他のジャノメチョウ亜科の蝶には多い金色の輪郭がないためあまり目立たない。前翅長は28-42ミリメ-トル[1]。メスはオスよりも大型で、翅は丸みを帯びる[2]

幼虫イネ科ススキスズメノカタビラ、ノガリヤスやカヤツリグサ科ヒカゲスゲ、ショウジョウズゲなどを、食草とする[2][3]。食草の近くの草地に降り、食草には産みつけず放卵する。1-3齢の幼虫の形態で越冬する[1][3]

年一化性で[1][3]、成虫は7月から9月にかけて見られる。草原をゆるやかに飛翔し、樹液・獣糞・腐果によく訪れるほか、ジャノメチョウ亜科には珍しくノアザミヒメジョオンなどの花の蜜を吸う[1]

  • クルマバナを吸蜜中のオス
    クルマバナを吸蜜中のオス
  • ユウスゲに留まるメス
    ユウスゲに留まるメス

分布

ユーラシア大陸温帯域に広く分布する[3]

日本では、北海道本州四国九州対馬に分布する[1][2]。市街地以外ではおおむねどのような環境でも見られる。

脚注

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参考文献

  • 猪又敏男(編・解説)、松本克臣(写真)『蝶』山と溪谷社〈新装版山溪フィールドブックス〉、2006年6月。ISBN 4-635-06062-4。 
  • 須田真一、永幡嘉之、中村康弘、長谷川大、矢野勝也 著、日本チョウ類保全協会 編『日本のチョウ』誠文堂新光社〈フィールドガイド〉、2012年4月30日。ISBN 978-4416712030。 
  • 日本環境動物昆虫学会編『チョウの調べ方』文教出版、1998年、ISBN 4-938489-11-2。
  • 蛭川憲男『日本のチョウ 成虫・幼虫図鑑』メイツ出版、2013年4月。ISBN 978-4780413120。 
  • 牧林功解説 『日本の蝶』成美堂出版、1994年、ISBN 4-415-08045-6。

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、ジャノメチョウに関連するメディアおよびカテゴリがあります。

外部リンク

  • “日本のレッドデータ検索・ジャノメチョウ”. エンビジョン環境保全事務局. 2014年6月16日閲覧。