ラヴィン・スプーンフル

曖昧さ回避 Lovin' Spoonful」はこの項目へ転送されています。鶴久政治のアルバムについては「Lovin' Spoonful (鶴久政治のアルバム)」をご覧ください。
ラヴィン・スプーンフル
オリジナルメンバー(1965年撮影)。下から時計回りにジョン・セバスチャン(英語版)ザル・ヤノフスキー(英語版)ジョー・バトラー(英語版)、スティーヴ・ブーン。
基本情報
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク
ジャンル
活動期間
  • 1965年 - 1969年
  • 1979年
  • 1991年 -
レーベル カーマ・スートラ・レコード
メンバー
  • ジョー・バトラー(英語版)
  • スティーヴ・ブーン
  • マイク・アーツリ
  • フィル・スミス
  • マレー・ウェインストック
旧メンバー
  • ジョン・セバスチャン(英語版)
  • ザル・ヤノフスキー(英語版)
  • ジョン・マーレラ
  • ジム・イェスター
  • リナ・イェスター
  • デヴィッド・ジェイコ
  • ランディー・チャンス
  • ジェリー・イェスター(英語版)
  • ジャン・カール

ラヴィン・スプーンフルThe Lovin' Spoonful)は、アメリカ合衆国フォークロック・バンドである。1960年代半ばのフォークロック・ムーヴメントの中核をなすバンドとされ、「魔法を信じるかい?(英語版)」をはじめとしたヒット曲を出した[3]。2000年にロックの殿堂入りした。

キャリア

1965年にハーモニカ奏者であるジョン・セバスチャン(英語版)とコード・カッティングの名手であるギタリストザル・ヤノフスキー(英語版)の2人を中心に結成[1]。他のメンバーはジョー・バトラー(英語版)(ドラムス)とスティーヴ・ブーン(ベース)。元々はマグワンプス(英語版)というフォーク・グループが分裂してできたバンドで、もう一方はママス&パパスを結成した。ジョン・セバスチャンは、もともとはジャグ・バンドに所属していた。

1965年8月、シングル『魔法を信じるかい?(英語版)』でデビュー。同作はBillboard Hot 100で最高位9位を記録[4]。その後「デイドリーム」(全米2位)や「サマー・イン・ザ・シティ」(全米1位)などヒット作を連発[5][3]

1967年にヤノフスキーが脱退。主な理由は、サンフランシスコで彼が大麻所持により逮捕され、彼がカナダ市民であり米国への再入国を禁止されるのを恐れたことと、セバスチャンの作詞作曲がより「より個人的」になっていったこと対する幻滅であることとされている。

後任にモダン・フォーク・カルテット(英語版)のメンバーであるジェリー・イエスター(英語版)が加入した。イエスターが加わって制作された4作目のアルバム『エブリシング・プレイング(英語版)』発表後、リーダーのセバスチャンが脱退するとバンドは立ち行かなくなり、まもなく解散した。解散後に実質的なジョー・バトラーのソロ・アルバムである『革命(英語版)』が、レコーディング契約の都合上、ラヴィン・スプーンフル名義で発表された。ジョン・セバスチャンはソロとして1976年に「ウェルカム・バック(英語版)」のヒットを放った。同曲は、荒れた学校に戻った教師について歌っている。

2000年、ロックの殿堂入りを果たす[6]

2002年12月13日、オンタリオ州キングストンでヤノフスキーが死去[7]

2020年2月29日、カリフォルニア州グレンデールのアレックス・シアターで、ラヴィン・スプーンフルを題材としたチャリティ・トリビュート公演が開催される。同公演で、ジョー・バトラーとスティーヴ・ブーン、ジョン・セバスチャンが「ロックの殿堂」入りセレモニー以来20年ぶりに再結集[8]

メンバー

在籍中のメンバー
  • ジョー・バトラー(英語版)Joe Butler) - ドラムスボーカル(1965年 - 1969年、1979年、1991年 - )
  • スティーヴ・ブーン(Steve Boone) - ベース(1965年 - 1969年、1979年、1991年 - )
  • マイク・アーツリ(Mike Arturi) - ドラムス(1996年 - )
  • フィル・スミス(Phil Smith) - リズムギター、リードギター(2000年 - )
  • マレー・ウェインストック(Murray Weinstock) - ピアノ(2019年 - )
旧メンバー
  • ジョン・セバスチャン(英語版)John Sebastian) - ボーカル、リズムギター(1965年 - 1968年、1979年、2000年、2020年)
  • ザル・ヤノフスキー(英語版)Zal Yanovsky) - リードギター(1965年 - 1967年、1979年、2000年)※2002年没
  • ジョン・マーレラ(John Marrella) - ドラムス(1993年 - 1997年)
  • ジム・イェスター(Jim Yester) - ボーカル、リズムギター(1991年 - 1994年)
  • リナ・イェスター(Lena Yester) - ピアノ(1993年 - 2000年)
  • デヴィッド・ジェイコ(David Jayco) - ピアノ(1992年 - 1993年)
  • ランディー・チャンス(Randy Chance) - リズムギター(1994年)
  • ジェリー・イェスター(英語版)Jerry Yester) - リードギター、リズムギター(1967年 - 1969年、1991年 - 2017年)
  • ジャン・カール(Jan Carl) - ドラムス(1965年)

タイムライン

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

邦題
原題
詳細 最高位
US
[9]
CAN
[10]
FIN
[11]
NOR
[12]
UK
[13]
魔法を信じるかい?
Do You Believe in Magic
32
デイドリーム
Daydream
  • 発売日: 1966年3月
  • レーベル: カーマ・スートラ
  • 規格: LP、4トラック、オープンリール
10 9 8
ハムズ・オブ・ザ・ラヴィン・スプーンフル
Hums of the Lovin' Spoonful
  • 発売日: 1966年11月
  • レーベル: カーマ・スートラ
  • 規格: LP、4トラック、オープンリール
14 8 9
エヴリシング・プレイング
Everything Playing
  • 発売日: 1967年12月
  • レーベル: カーマ・スートラ
  • 規格: LP、MC、4トラック、オープンリール
118
革命
Revelation: Revolution '69
  • 発売日: 1969年1月
  • レーベル: カーマ・スートラ
  • 規格: LP、オープンリール
「—」はチャート圏外もしくは、その地域では未発売であることを表す。

シングル

※タイトルについて、特記がない限り、両面とも初収録は同じアルバム。

タイトル(A面/B面) 最高位 認定 初収録アルバム
US
[5]
AUS
[14]
CAN
[15]
FIN
[11]
GER
[16]
NL
[17]
NOR
[18]
NZ
[19]
SWE
[20]
UK
[13]
魔法を信じるかい?(英語版)
b/w「オン・ザ・ロード・アゲイン」
1965 9 3 魔法を信じるかい?
うれしいあの娘
b/w「マイ・ガル」[注 1]
10 4 デイドリーム
デイドリーム(英語版)
b/w「ナイト・アウル・ブルース」[注 1]
1966 2 13 1 20 30 11 1 1 2
心に決めたかい?(英語版)
b/w「つらい僕の心」[注 2]
2 17 6 26 20 2 5 3 魔法を信じるかい?
「ジャグ・バンド・ミュージック」[注 3]
b/w「つらい僕の心」[注 2]
2 アルバム未収録
「ボールド・ヘデッド・リナ」[注 4]
b/w「オン・ザ・ロード・アゲイン」[注 1]
1
サマー・イン・ザ・シティ
b/w「ブッチーの歌」[注 2]
1 11 1 2 5 2 3 3 4 8 ハムズ・オブ・ザ・ラヴィン・スプーンフル
「レイン・オン・ザ・ルーフ」
b/w「パウ」[注 5]
10 38 12 28 13 3 11 52[注 6]
「ナッシュビル・キャッツ」
b/w「フル・メジャー」
8
87
36 2
85
38 11 7 6 12 26
グッド・タイム・ミュージック(英語版)[注 7]
b/w「オールモスト・グロウン(英語版)
ホワッツ・シェイキン(英語版)
「ドント・バンク・オン・イット・ベイビー」[注 7]
b/w「サーチン
1967
ダーリング(英語版)
b/w「ダーリン・コンパニオン」[注 8]
15 90 8 16 44 ユーアー・ア・ビッグ・ボーイ・ナウ(英語版)
「シックス・オクロック」
b/w「フィナーレ」[注 9]
18 12 エヴリシング・プレイング
「ユーアー・ア・ビッグ・ボーイ・ナウ」[注 10]
b/w「ロンリー (エイミーのテーマ)」
ユーアー・ア・ビッグ・ボーイ・ナウ
「ガール、ビューティフル・ガール」[注 4]
b/w「ウォッシュ・ハー・アウェイ」
「彼女はミステリー」
b/w「オンリー・プリティ、ホワット・ア・ピティ」
27 3 エヴリシング・プレイング
「マネー」
b/w「瞳をとじて」
48 28
「前進あるのみ」
b/w「フォーエヴァー」[注 11]
1968 73 71 49 革命
「君と進もう」
b/w「黙示:革命69」
「君なしの僕に」
b/w「驚愕の空」
1969 91 70
「ヤンガー・ジェネレーション」
b/w「ボアダム」
1970 John Sebastian Song Book Vol.1
「—」はチャート圏外もしくは、その地域では未発売であることを表す。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ a b c 『魔法を信じるかい?』で初収録
  2. ^ a b c 『デイドリーム』で初収録。
  3. ^ カナダ限定発売
  4. ^ a b スウェーデン限定発売
  5. ^ サウンドトラック・アルバム『ホワッツ・アップ、タイガー・リリー?』で初収録
  6. ^ 「Breakers Charts」での最高位
  7. ^ a b オランダ限定発売
  8. ^ 『ハムズ・オブ・ザ・ラヴィン・スプーンフル』で初収録
  9. ^ サウンドトラック・アルバム『ユーアー・ア・ビッグ・ボーイ・ナウ』で初収録
  10. ^ 日本限定発売となっているが、フランスではプロモ盤が発売されている。
  11. ^ 『エヴリシング・プレイング』で初収録

出典

  1. ^ a b c d Unterberger, Richie. “The Lovin' Spoonful Biography, Songs, & Albums”. AllMusic. RhythmOne. 2022年7月12日閲覧。
  2. ^ Mitchell, Gillian (2016). The North American Folk Music Revival: Nation and Identity in the United States and Canada, 1945-1980. Taylor & Francis. p. 166. ISBN 1317022505 
  3. ^ a b c d CDジャーナル編集部 (2005-11-01). “魔法を信じるかい?/ラヴィン・スプーンフル”. ロック&ポップス名曲徹底ガイド② 1965年〜69年編. 音楽出版社. p. 44. ISBN 978-4861710056 
  4. ^ “Billboard Hot 100”. Billboard (1965年10月16日). 2022年7月12日閲覧。
  5. ^ a b “The Lovin' Spoonful Chart History (Billboard Hot 100)”. Billboard. 2022年7月12日閲覧。
  6. ^ “Lovin’ Spoonful”. Rock & Roll Hall of Fame. 2022年7月12日閲覧。
  7. ^ “ラヴィン・スプーンフルのギタリスト、ザル・ヤノフスキーが死去”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2002年12月17日). 2022年7月12日閲覧。
  8. ^ “ラヴィン・スプーンフルが20年ぶりに再結集、ライヴ映像公開”. MUSIC LIFE CLUB. シンコーミュージック・エンタテイメント (2020年3月2日). 2022年7月12日閲覧。
  9. ^ “The Lovin' Spoonful Chart History (Billboard 200)”. Billboard. 2022年7月12日閲覧。
  10. ^ “RPM Top LPs”. RPM 6 (24). (February 11, 1967). https://www.bac-lac.gc.ca/eng/discover/films-videos-sound-recordings/rpm/Pages/image.aspx?Image=nlc008388.10038a&URLjpg=http%3a%2f%2fwww.collectionscanada.gc.ca%2fobj%2f028020%2ff4%2fnlc008388.10038a.gif&Ecopy=nlc008388.10038a 2022年5月21日閲覧。. 
  11. ^ a b “Sisältää hitin: Levyt ja esittäjät Suomen musiikkilistoilla vuodesta 1960: Artistit LOS - LÖN”. Sisältää hitin (2015年8月13日). 2022年7月12日閲覧。
  12. ^ “norwegiancharts.com - Norwegian charts portal”. norwegiancharts.com. 2022年7月12日閲覧。
  13. ^ a b “LOVIN' SPOONFUL | full Official Chart History”. www.officialcharts.com. Official Charts Company. 2022年7月12日閲覧。
  14. ^ Kent, David (2005). Australian Chart Book 1940-1969. Australian Chart Book Pty Ltd, Turramurra, N.S.W.. ISBN 0-646-44439-5 
  15. ^ “Results: RPM Weekly”. www.bac-lac.gc.ca. Library and Archives Canada (2013年7月17日). 2022年5月21日閲覧。
  16. ^ “Suche - Offizielle Deutsche Charts”. www.offiziellecharts.de. 2022年7月12日閲覧。
  17. ^ “Dutch Charts - dutchcharts.nl”. dutchcharts.nl. 2022年7月12日閲覧。
  18. ^ “norwegiancharts.com - Norwegian charts portal”. norwegiancharts.com. 2022年7月12日閲覧。
  19. ^ “flavour of new zealand - search listener”. www.flavourofnz.co.nz. 2022年7月12日閲覧。
  20. ^ “Lovin' Spoonful - Se alla låtar och listplaceringar” (スウェーデン語). NostalgiListan. 2022年7月12日閲覧。
  21. ^ "British certifications – Lovin' Spoonful". British Phonographic Industry. 2022年7月12日閲覧 Type Lovin' Spoonful in the "Search BPI Awards" field and then press Enter.
  22. ^ "American certifications – Lovin' Spoonful". Recording Industry Association of America. 2022年7月12日閲覧
典拠管理データベース ウィキデータを編集
全般
  • ISNI
  • VIAF
国立図書館
  • ノルウェー
  • フランス
  • BnF data
  • ドイツ
  • アメリカ
  • チェコ
芸術家
  • MusicBrainz
人物
  • Trove(オーストラリア)
    • 1
その他
  • IdRef