不動産侵奪罪

不動産侵奪罪
法律・条文 刑法235条の2
保護法益 事実上の占有
主体
客体 他人の不動産
実行行為 侵奪
主観 故意犯、不法領得の意思
結果 結果犯、侵害犯
実行の着手 占有を排除するための行為を開始した時点
既遂時期 不動産の占有を取得した時点
法定刑 10年以下の懲役
未遂・予備 未遂罪(243条)
テンプレートを表示
日本の刑法
天秤ばかり
刑事法
刑法
刑法学犯罪刑罰
罪刑法定主義
犯罪論
構成要件実行行為不作為犯
間接正犯未遂既遂中止犯
不能犯 ・ 因果関係
違法性 ・ 違法性阻却事由
正当行為正当防衛緊急避難
責任責任主義
責任能力心神喪失心神耗弱
故意故意犯 ・ 錯誤
過失過失犯
期待可能性
誤想防衛過剰防衛
共犯正犯共同正犯
共謀共同正犯教唆犯幇助犯
罪数
観念的競合牽連犯併合罪
刑罰論
死刑懲役禁錮
罰金拘留科料没収
法定刑処断刑宣告刑
自首酌量減軽執行猶予
刑事訴訟法刑事政策
カテゴリ カテゴリ
プロジェクト 刑法 (犯罪)

不動産侵奪罪(ふどうさんしんだつざい)は、刑法に規定された犯罪類型の一つ。第235条の2に規定がある。不動産に対する財産権保護法益個人的法益に対する罪。未遂も処罰される。1960年に、境界損壊罪とともに新設された。

内容

刑法235条の2の規定において、他人の不動産を侵奪した者は、10年以下の懲役に処すると定めている。未遂も処罰される(刑法243条)。 また、親族間の特例があり、刑の免除や親告罪などが定められている(刑法244条)。

行為

判例によれば侵奪とは、不動産に対する他人の占有を排除して、自己の事実上の占有を設定する行為である。

  • 無断登記など、占有を法律的に奪取する行為は含まれない。
  • 他人の土地の周囲に、半永久的で容易に除去し得ないコンクリートブロック塀を設置して、資材置場として利用する行為は侵奪に当たる(最決昭和42年11月2日刑集21巻9号1179頁)。
  • 他人の土地に無断で排水口を設置しても、一時利用の目的であって原状回復が容易であり、損害も皆無に等しい場合は侵奪に当たらない(大阪高判昭和40年12月17日高刑18巻7号877頁)。

他罪との関係

  • 暴行又は脅迫を用いて相手の意思を抑圧し不動産の占有を奪取したら、強盗罪が成立する。その他、詐欺罪恐喝罪に該当するようなケースにおいても本罪は成立する。

関連項目

  • 窃盗罪
  • 横領罪
  • 背任罪
  • 梅田村事件 - 不動産侵奪罪が作られるきっかけとなった事件。大阪マルビルの建設にあたり、戦後より不法占拠を行っていたバラックを地権者の吉本晴彦がブルドーザーを用いて強制的に破壊、退去させた。吉本はバラックの持主らに起訴されたが、正当防衛が認められた。
  • 闇市
  • 地面師

外部リンク

ウィキブックスに刑法各論関連の解説書・教科書があります。
  • 第034回国会 法務委員会 第16号
日本の刑法犯罪
国家的法益に対する罪
社会的法益に対する罪
個人的法益に対する罪
生命・身体
自由
名誉
信用・業務
財産
カテゴリ Category:日本の犯罪類型
スタブアイコン

この項目は、法分野に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(P:法学/PJ:法学)。

  • 表示
  • 編集