反ニュートリノ

反ニュートリノ(はんニュートリノ、Antineutrino)は、ベータ崩壊の際に生成する中性の粒子で、ニュートリノに対する反粒子である。1930年にヴォルフガング・パウリによって理論的に予測され、1956年にフレデリック・ライネスクライド・カワンによって最初に検出された。中性子陽子に崩壊するベータ崩壊の過程で放出される。スピンは1/2で、レプトンファミリーの1つである。これまでに観測された反ニュートリノは全て右回りのヘリシティーを持つ。反ニュートリノは重力相互作用弱い相互作用によってのみ、他の物質と反応するため、実験的に検出することは大変困難である。ニュートリノ振動の実験により、反ニュートリノは質量を持つことが示唆されたが、ベータ崩壊の実験により、その質量はかなり小さいことが分かっている。

反ニュートリノもニュートリノも中性であるため、これらは実は同一の粒子の可能性もある。このような性質を持つ粒子はマヨラナ粒子と呼ばれる。ニュートリノが真のマヨラナ粒子だった場合、ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊が許容される。いくつかの実験結果により、この過程の存在が示唆されている。

核不拡散の観点から、反ニュートリノを原子炉のモニターに利用する可能性の研究も行われている[1][2][3]

最初の検出

反ニュートリノは、制御可能な反ニュートリノ源としての原子炉の隣に取り付けられたの大容量タンクの中で、カドミウム原子核との反応が最初に検出された。

脚注

  1. ^ LLNL/SNL Applied Antineutrino Physics Project. LLNL-WEB-204112 (2006): http://neutrinos.llnl.gov/
  2. ^ Applied Antineutrino Physics 2007 workshop: “アーカイブされたコピー”. 2016年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月5日閲覧。
  3. ^ DOE/Lawrence Livermore National Laboratory (2008, March 13). New Tool To Monitor Nuclear Reactors Developed. ScienceDaily. Retrieved March 16, 2008, from http://www.sciencedaily.com/releases/2008/03/080313091522.htm

関連項目

外部リンク

  • Search for neutrinoless double beta decay with enriched 76Ge in Gran Sasso 1990-2003
素粒子
フェルミ粒子
クォーク
レプトン
ボース粒子
ゲージ粒子
スカラー粒子
その他
仮説上の
素粒子
超対称性粒子
ボシーノ
ゲージーノ
スフェルミオン
ゲージ粒子
位相欠陥
その他
複合粒子
ハドロン
バリオン/ハイペロン
  • 核子
    • p
    • n
  • 反核子
    • p
    • n
  • Δ
  • Λ
  • Σ
  • Ξ
  • Ω
中間子/クォーコニウム
  • π
  • K
  • ρ
  • J/ψ
  • Υ
  • η
  • φ
  • ω
  • θ
  • B
  • D
  • T
異種原子
その他
仮説上の
複合粒子
異種ハドロン
異種バリオン
異種中間子
その他
準粒子