2011年世界陸上競技選手権大会・男子400m

2011年
世界陸上競技選手権大会
トラック
100m 男子 女子
200m 男子 女子
400m 男子 女子
800m 男子 女子
1500m 男子 女子
5000m 男子 女子
10000m 男子 女子
100mハードル 女子
110mハードル 男子
400mハードル 男子 女子
3000mSC 男子 女子
4×100mリレー 男子 女子
4×400mリレー 男子 女子
ロード
マラソン 男子 女子
20km競歩 男子 女子
50km競歩 男子
フィールド
走高跳 男子 女子
棒高跳 男子 女子
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砲丸投 男子 女子
円盤投 男子 女子
ハンマー投 男子 女子
やり投 男子 女子
混成
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十種競技 男子
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2011年世界陸上競技選手権大会・男子400m(2011ねんせかいりくじょうきょうぎせんしゅけんたいかい・だんし400メートル)は、2011年世界陸上競技選手権大会の種目の一つ。大邱スタジアムで8月28日に予選、29日に準決勝、30日に決勝が行なわれた。グレナダキラニ・ジェームスが44秒60の記録で優勝した。

アテネ大会以降、世界選手権の前回大会優勝者は次回大会の出場権を自動的に得る。前回大会優勝者のラショーン・メリットはドーピング違反による1年9ヶ月の出場停止処分が7月に明けてレースに復帰。全米陸上競技連盟は選手に対して選考会となる全米選手権出場を義務付けているが、メリットは6月の全米選手権に出場できなかった。その後メリットは全米陸上競技連盟の特例措置により世界選手権に出場した[1]。メリットは予選3組で2011年世界最高記録となる44秒35を記録した。2010年のIAAFダイヤモンドリーグ400m年間王者のジェレミー・ウォリナーは、左足爪先靭帯断裂のために欠場した[2]

北京パラリンピック男子短距離3種目の金メダリストで両足義足のオスカー・ピストリウスは四肢を失った選手として初めて世界選手権に出場し[3]、5組3位で予選通過、準決勝で組8位46秒19の成績を残した。ピストリウスは2004年アテネパラリンピックで200m金メダリストとなった後に北京オリンピック出場を熱望していたが、IAAFは彼の出場を認めない方針を2007年に決定した。IAAFは彼のカーボン製義足が競技に与える影響についてドイツ体育大学ケルンに分析を依頼、その結果を受けてカーボン製義足が競技会の禁止行為を定めたIAAF競技規約144項の2(機械的助力の使用)に抵触するとした[4][5]。ピストリウスはスポーツ仲裁裁判所に提訴、2008年5月にスポーツ仲裁裁判所の「IAAFの競技規則に抵触しない」との裁定を勝ち取って大会参加に道が開かれていた[6]。この2011年大会にはピストリウス以外に、視覚障害を持つジェイソン・スミスが男子100mに出場した。

メダリスト

キラニ・ジェームス
グレナダの旗 グレナダ
ラショーン・メリット
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ケビン・ボルリー
ベルギーの旗 ベルギー

各種記録

世界記録 アメリカ合衆国の旗 マイケル・ジョンソン 43.18 スペインの旗 セビリア 1999年8月26日
大会記録
2011年世界最高 グレナダの旗 キラニ・ジェームス 44.61 イギリスの旗 ロンドン 2011年8月5日
アフリカ記録 コンゴ民主共和国の旗 ゲーリー・キカヤ 44.10 ドイツの旗 シュトゥットガルト 2006年9月9日
アジア記録 オマーンの旗 モハメド・アル=マルキー 44.56 ハンガリーの旗 ブダペスト 1988年8月12日
カリブ海北中米記録 アメリカ合衆国の旗 マイケル・ジョンソン 43.18 スペインの旗 セビリア 1999年8月26日
南米記録 ブラジルの旗 Sanderlei Parrela 44.29 スペインの旗 セビリア 1999年8月26日
ヨーロッパ記録 東ドイツの旗 トーマス・シェーンレーベ 44.33 イタリアの旗 ローマ 1987年9月3日
オセアニア記録 オーストラリアの旗 ダレン・クラーク 44.38 大韓民国の旗 ソウル 1988年9月26日

参加標準記録

A B
45.25 45.70

日程

開始時刻
2011年8月28日 11:15 予選
2011年8月29日 20:00 準決勝
2011年8月30日 21:45 決勝

結果

q 記録による通過 Q 順位による通過 WL 2011年世界最高記録 NR 国内記録 PB 自己記録 SB シーズンベスト DSQ 失格 DNS 棄権

予選

各組上位4名(Q)と記録上位4名(q) が予選通過、準決勝へ進む。

順位 氏名 国籍 記録 備考
1 3 ラショーン・メリット アメリカ合衆国の旗 アメリカ 44.35 Q, WL
2 3 ケビン・ボルリー ベルギーの旗 ベルギー 44.77 Q
3 1 ロンデル・バーソロミュー グレナダの旗 グレナダ 44.82 Q
4 1 レニー・クオ トリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ 44.84 Q, SB
5 2 ジャーメイン・ゴンザレス ジャマイカの旗 ジャマイカ 45.12 Q
5 4 キラニ・ジェームス グレナダの旗 グレナダ 45.12 Q
7 1 グレッグ・ニクソン アメリカ合衆国の旗 アメリカ 45.16 Q
7 4 ジョナサン・ボルリー ベルギーの旗 ベルギー 45.16 Q
9 3 Rabah Yousif スーダンの旗 スーダン 45.20 Q
10 1 タバリー・ヘンリー アメリカ領ヴァージン諸島の旗 アメリカ領ヴァージン諸島 45.22 Q
11 5 クリストファー・ブラウン バハマの旗 バハマ 45.29 Q
12 5 マーティン・ルーニー イギリスの旗 イギリス 45.30 Q, SB
13 4 ラモン・ミラー バハマの旗 バハマ 45.31 Q, SB
14 5 オスカー・ピストリウス 南アフリカ共和国の旗 南アフリカ 45.39 Q
15 5 フェミ・セウン・オグノデ カタールの旗 カタール 45.42 Q, SB
16 2 ジャマール・トランス アメリカ合衆国の旗 アメリカ 45.44 Q
17 5 ネリー・ブレネス コスタリカの旗 コスタリカ 45.47 q
18 2 Marcin Marciniszyn ポーランドの旗 ポーランド 45.51 Q
19 3 金丸祐三 日本の旗 日本 45.51 Q
20 2 デメトリウス・ピンダー バハマの旗 バハマ 45.53 Q
21 1 Riker Hylton ジャマイカの旗 ジャマイカ 45.54 q
22 3 Pavel Trenikhin ロシアの旗 ロシア 45.55 q, PB
23 4 ウィリアム・コラーゾ キューバの旗 キューバ 45.89 Q
24 2 Erison Hurtault ドミニカ国の旗 ドミニカ国 46.10 q
25 4 Park Bong-Go 大韓民国の旗 韓国 46.42 SB
26 5 トニー・マッケイ アメリカ合衆国の旗 アメリカ 46.76
27 4 Pako Seribe ボツワナの旗 ボツワナ 46.97
28 1 Mathieu Gnanligo ベナンの旗 ベナン 47.01
29 4 Augusto Stanley パラグアイの旗 パラグアイ 47.31
30 1 Nelson Stone パプアニューギニアの旗 パプアニューギニア 47.86
31 5 Ahmed Mohamed Al-Merjabi オマーンの旗 オマーン 47.99
32 3 Arnold Sorina バヌアツの旗 バヌアツ 48.76 SB
33 4 Bahaa Al Farra パレスチナの旗 パレスチナ 49.04 PB
34 2 Nicolau Palanca アンゴラの旗 アンゴラ 49.37 SB
35 1 Kerfalla Camara ギニアの旗 ギニア 49.74 PB
36 2 Ak Hafiy Tajuddin Rositi ブルネイの旗 ブルネイ 50.12
99 5 Abdou Razack Rabo Samma ニジェールの旗 ニジェール 99.99 DSQ
99 3 アリスメンディ・ペゲロ ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国 99.99 DNS
99 3 ゲーリー・キカヤ コンゴ民主共和国の旗 コンゴ民主共和国 99.99 DNS

準決勝

各組上位2名(Q)と記録上位2名(q) が準決勝通過、決勝へ進む。

順位 氏名 国籍 記録 備考
1 1 ラショーン・メリット アメリカ合衆国の旗 アメリカ 44.76 Q
2 3 ジャーメイン・ゴンザレス ジャマイカの旗 ジャマイカ 44.99 Q
3 1 ケビン・ボルリー ベルギーの旗 ベルギー 45.02 Q
4 3 ジョナサン・ボルリー ベルギーの旗 ベルギー 45.14 Q
5 3 ロンデル・バーソロミュー グレナダの旗 グレナダ 45.17 q
6 2 キラニ・ジェームス グレナダの旗 グレナダ 45.20 Q
7 3 フェミ・セウン・オグノデ カタールの旗 カタール 45.41 q, SB
8 1 Rabah Yousif スーダンの旗 スーダン 45.43
9 3 グレッグ・ニクソン アメリカ合衆国の旗 アメリカ 45.51
10 2 タバリー・ヘンリー アメリカ領ヴァージン諸島の旗 アメリカ領ヴァージン諸島 45.53 Q
11 2 クリストファー・ブラウン バハマの旗 バハマ 45.54
12 3 Pavel Trenikhin ロシアの旗 ロシア 45.68
13 1 レニー・クオ トリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ 45.72
14 2 ジャマール・トランス アメリカ合衆国の旗 アメリカ 45.73
15 3 デメトリウス・ピンダー バハマの旗 バハマ 45.87
16 1 ラモン・ミラー バハマの旗 バハマ 45.88
17 2 ネリー・ブレネス コスタリカの旗 コスタリカ 45.93
18 2 Marcin Marciniszyn ポーランドの旗 ポーランド 45.94
19 2 マーティン・ルーニー イギリスの旗 イギリス 46.09
20 1 金丸祐三 日本の旗 日本 46.11
21 1 ウィリアム・コラーゾ キューバの旗 キューバ 46.13
22 3 オスカー・ピストリウス 南アフリカ共和国の旗 南アフリカ 46.19
23 1 Erison Hurtault ドミニカ国の旗 ドミニカ国 46.41
24 2 Riker Hylton ジャマイカの旗 ジャマイカ 46.99

決勝

順位 レーン 氏名 国籍 記録 反応時間 備考
1 1位 5 キラニ・ジェームス グレナダの旗 グレナダ 44.60 0.137 PB
2 2位 4 ラショーン・メリット アメリカ合衆国の旗 アメリカ 44.63 0.263
3 3位 6 ケビン・ボルリー ベルギーの旗 ベルギー 44.90 0.182
04 4 3 ジャーメイン・ゴンザレス ジャマイカの旗 ジャマイカ 44.99 0.138
05 5 8 ジョナサン・ボルリー ベルギーの旗 ベルギー 45.07 0.160
06 6 2 ロンデル・バーソロミュー グレナダの旗 グレナダ 45.45 0.314
07 7 7 タバリー・ヘンリー アメリカ領ヴァージン諸島の旗 アメリカ領ヴァージン諸島 45.55 0.167
08 8 1 フェミ・セウン・オグノデ カタールの旗 カタール 45.55 0.170

脚注・出典

  • 400 metres results IAAF
  1. ^ Gene Cherry (2011-06-28). Olympic 400m champ LaShawn Merritt cleared for worlds ロイター. 2011年8月30日閲覧
  2. ^ 陸上=男子400mの元王者ウォリナー、世界選手権を欠場 ロイター (2011-08-03). 2011年8月30日閲覧
  3. ^ 陸上=準決勝進出の両脚義足ピストリウス、「努力必要だった」 ロイター (2008-07-03). 2011年8月31日閲覧
  4. ^ IAAF and Oscar Pistorius to co-operate on future research IAAF (2007-07-26). 2011年8月31日閲覧
  5. ^ Mark Meadows (2008-05-16). Disabled Pistorius wins CAS appeal ロイター. 2011年8月31日閲覧
  6. ^ 五輪=義足ランナーのピストリウス、北京に向け厳しい現実 ロイター (2008-07-03). 2011年8月31日閲覧