2018年カナダグランプリ

カナダの旗 2018年カナダグランプリ
レース詳細
日程 2018年シーズン第7戦
決勝開催日 6月10日
開催地 ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット
カナダの旗 カナダ モントリオール
コース長 4.361km
レース距離 68周(296.548km)
当初の予定は70周(305.270km)[1]
決勝日天候 晴 (ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:10.764
ファステストラップ
ドライバー オランダの旗 マックス・フェルスタッペン
タイム 1:13.864 (65周目)
決勝順位
優勝
2位
3位

2018年カナダグランプリ (2018 Canadian Grand Prix) は、2018年のF1世界選手権第7戦として、2018年6月10日ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで開催された。

正式名称は「FORMULA 1 GRAND PRIX HEINEKEN DU CANADA 2018[2]

レース前

本レースでピレリが供給するドライタイヤのコンパウンドは、スーパーソフト、ウルトラソフト、ハイパーソフトの3種類[3]

オーバーテイクの機会を増やすため、ターン7とターン8の間のストレートに3つ目のDRSゾーンを追加した[4]。本レースよりピットレーンクローズの時間がフォーメーションラップの20分前から30分前に変更される[5]

ルノー(全チーム)、ホンダ(トロ・ロッソ)、フェラーリ(ワークスのみ)がパワーユニットのアップグレードを実施[6]。前戦モナコGPでMGU-Kが不調の中優勝したダニエル・リカルドは既にMGU-Kを2基使用していたが、1基目のMGU-Kのパーツ交換でグリッド降格を回避した[7][8]メルセデスもパワーユニットのアップデートを実施する予定だったが、品質問題により本レースでの投入は見送られた[9]

エントリーリスト

フェルナンド・アロンソが史上4人目[10]のF1参戦300戦目[11]を迎える[12]フォース・インディアは地元出身のニコラス・ラティフィを初めてフリー走行1回目(FP1)に出走させる[13]

エントリーリスト
チーム No. ドライバー コンストラクター シャシー パワーユニット
ドイツの旗 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス W09 メルセデス M09 EQ Power+
77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス
イタリアの旗 スクーデリア・フェラーリ 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル フェラーリ SF71H フェラーリ 062 EVO
7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン
オーストリアの旗 アストンマーティン・レッドブル・レーシング 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド レッドブル RB14 タグ・ホイヤー (ルノー R.E.18)
33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン
インドの旗 サハラ・フォース・インディア・F1チーム 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス フォース・インディア VJM11 メルセデス M09 EQ Power+
31 フランスの旗 エステバン・オコン
34 カナダの旗 ニコラス・ラティフィ 1
イギリスの旗 ウィリアムズ・マルティーニ・レーシング 18 カナダの旗 ランス・ストロール ウィリアムズ FW41 メルセデス M09 EQ Power+
35 ロシアの旗 セルゲイ・シロトキン
フランスの旗 ルノー・スポール・フォーミュラワン・チーム 27 ドイツの旗 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー R.S.18 ルノー R.E.18
55 スペインの旗 カルロス・サインツ
イタリアの旗 レッドブル・トロ・ロッソ・ホンダ 28 ニュージーランドの旗 ブレンドン・ハートレイ トロ・ロッソ STR13 ホンダ RA618H
10 フランスの旗 ピエール・ガスリー
アメリカ合衆国の旗 ハースF1チーム 8 フランスの旗 ロマン・グロージャン ハース VF-18 フェラーリ 062 EVO
20 デンマークの旗 ケビン・マグヌッセン
イギリスの旗 マクラーレンF1チーム 14 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ マクラーレン MCL33 ルノー R.E.18
2 ベルギーの旗 ストフェル・バンドーン
スイスの旗 アルファロメオ・ザウバーF1チーム 9 スウェーデンの旗 マーカス・エリクソン ザウバー C37 フェラーリ 062 EVO
16 モナコの旗 シャルル・ルクレール
ソース:[14]
追記
  • タイヤは全車ピレリ
  • パワーユニットのエンジン(ICE)は全車1.6L V6ターボ
  • ^1 - ラティフィはFP1のみ、ペレスに代わってドライブ[15]

予選

2018年6月9日 14:00(EDT/UTC-4)

セバスチャン・ベッテルが3戦ぶりのポールポジションを獲得した。

ロマン・グロージャンはQ1開始直後にパワーユニットのトラブルが発生してタイムを記録できず、決勝は最後尾からスタートする[16]ピエール・ガスリーはFP3でエンジンのパワー低下が見られたため旧スペックのパワーユニットに交換せざるを得ず、16位でQ1敗退となった[17]。その後、新しいパワーユニットに交換し、エンジン(ICE)が規定を超える4基目に達したため10グリッド降格(実際には3グリッド後方の19番グリッド)となっている[18]

結果

Pos. No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:11.710 1:11.524 1:10.764 1
2 77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:11.950 1:11.514 1:10.857 2
3 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル-タグ・ホイヤー 1:12.008 1:11.472 1:10.937 3
4 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:11.835 1:11.740 1:10.996 4
5 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン フェラーリ 1:11.725 1:11.620 1:11.095 5
6 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド レッドブル-タグ・ホイヤー 1:12.459 1:11.434 1:11.116 6
7 27 ドイツの旗 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 1:12.795 1:11.916 1:11.973 7
8 31 フランスの旗 エステバン・オコン フォース・インディア-メルセデス 1:12.577 1:12.141 1:12.084 8
9 55 スペインの旗 カルロス・サインツ ルノー 1:12.689 1:12.097 1:12.168 9
10 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス フォース・インディア-メルセデス 1:12.702 1:12.395 1:12.671 10
11 20 デンマークの旗 ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 1:12.680 1:12.606 11
12 28 ニュージーランドの旗 ブレンドン・ハートレイ トロ・ロッソ-ホンダ 1:12.587 1:12.635 12
13 16 モナコの旗 シャルル・ルクレール ザウバー-フェラーリ 1:12.945 1:12.661 13
14 14 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ マクラーレン-ルノー 1:12.979 1:12.856 14
15 2 ベルギーの旗 ストフェル・バンドーン マクラーレン-ルノー 1:12.998 1:12.865 15
16 10 フランスの旗 ピエール・ガスリー トロ・ロッソ-ホンダ 1:13.047 19 1
17 18 カナダの旗 ランス・ストロール ウィリアムズ-メルセデス 1:13.590 16
18 35 ロシアの旗 セルゲイ・シロトキン ウィリアムズ-メルセデス 1:13.643 17
19 9 スウェーデンの旗 マーカス・エリクソン ザウバー-フェラーリ 1:14.593 18
107% time: 1:16.729
NC 8 フランスの旗 ロマン・グロージャン ハース-フェラーリ No Time 20 2
ソース:[19]
追記
  • ^1 - ガスリーは予選後に規定を超えるパワーユニット交換(4基目のICE(エンジン))を行ったため10グリッド降格[18][20]
  • ^2 - グロージャンはタイムを記録できなかったが、スチュワードの判断により決勝への出走を許可された[21]

決勝

2018年6月10日 14:10(EDT/UTC-4) 気温:20 路面温度:41度 湿度:27% 天候:晴(ドライコンディション)[22]

セバスチャン・ベッテルが1度もトップを譲らず、ポール・トゥ・ウィンで通算50勝目を飾った。ドライバーズランキング首位のルイス・ハミルトンは5位に終わり、ベッテルが1点差でハミルトンを上回りランキング首位に返り咲いた。

展開

スタートでダニエル・リカルドキミ・ライコネンを抜いて5位に浮上した以外は上位陣に変動はなかった。後方ではランス・ストロールがターン5でバランスを崩してブレンドン・ハートレイを巻き込む形で接触、クラッシュしてしまい両者とも早々とリタイアとなった。これによりセーフティカーが出動した。5周目にレースが再開された直後にセルジオ・ペレスカルロス・サインツJr.が接触し、ペレスは順位を落とした。ベッテルはファステストラップを連発して2位以下を徐々に引き離していく。16周目にマックス・フェルスタッペンとハミルトンがピットイン。リカルドはここでペースを上げてピットインを行い、ハミルトンをオーバーカットして4位に浮上した。2位のバルテリ・ボッタスは36周目まで引っ張ったが、タイヤが限界となりピットイン。これを見てベッテルもピットインして首位をキープする。本レースがF1参戦300戦目のフェルナンド・アロンソは42周目にスローダウンしてしまい、ピットへ戻りリタイアした。ボッタスはベッテルに迫っていくが、56周目のターン1でオーバーランしてしまい、さらに差が広がった。誤って1周早くチェッカーフラッグが振られるハプニングがあったが、ベッテルは完璧なレース展開で優勝した[23]

結果

Pos. No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 Grid Pts.
1 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 68 1:28:31.377 1 25
2 77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス メルセデス 68 +7.376 2 18
3 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル-タグ・ホイヤー 68 +8.360 3 15
4 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド レッドブル-タグ・ホイヤー 68 +20.892 6 12
5 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス 68 +21.559 4 10
6 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン フェラーリ 68 +27.184 5 8
7 27 ドイツの旗 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 67 +1 Lap 7 6
8 55 スペインの旗 カルロス・サインツ ルノー 67 +1 Lap 9 4
9 31 フランスの旗 エステバン・オコン フォース・インディア-メルセデス 67 +1 Lap 8 2
10 16 モナコの旗 シャルル・ルクレール ザウバー-フェラーリ 67 +1 Lap 13 1
11 10 フランスの旗 ピエール・ガスリー トロ・ロッソ-ホンダ 67 +1 Lap 19
12 8 フランスの旗 ロマン・グロージャン ハース-フェラーリ 67 +1 Lap 20
13 20 デンマークの旗 ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 67 +1 Lap 11
14 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス フォース・インディア-メルセデス 67 +1 Lap 10
15 9 スウェーデンの旗 マーカス・エリクソン ザウバー-フェラーリ 66 +2 Laps 18
16 2 ベルギーの旗 ストフェル・バンドーン マクラーレン-ルノー 66 +2 Laps 15
17 35 ロシアの旗 セルゲイ・シロトキン ウィリアムズ-メルセデス 66 +2 Laps 17
Ret 14 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ マクラーレン-ルノー 40 エキゾースト 14
Ret 28 ニュージーランドの旗 ブレンドン・ハートレイ トロ・ロッソ-ホンダ 0 接触 12
Ret 18 カナダの旗 ランス・ストロール ウィリアムズ-メルセデス 0 接触 16
ソース[24]
ファステストラップ[25]
ラップリーダー[26]
追記
  • 当初は70周の予定だったが、誤って69周目にチェッカーフラッグが振られたため、68周終了時点で順位が確定した[1]

第7戦終了時点のランキング

ドライバーズ・チャンピオンシップ
順位 ドライバー ポイント
1 1 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル 121
1 2 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン 120
1 3 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス 86
1 4 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド 84
5 フィンランドの旗 キミ・ライコネン 68

コンストラクターズ・チャンピオンシップ
順位 コンストラクター ポイント
1 ドイツの旗 メルセデス 206
2 イタリアの旗 フェラーリ 189
3 オーストリアの旗 レッドブル-タグ・ホイヤー 134
4 フランスの旗 ルノー 56
5 イギリスの旗 マクラーレン-ルノー 40

  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

脚注

ウィキメディア・コモンズには、2018年カナダグランプリに関連するカテゴリがあります。
[脚注の使い方]
  1. ^ a b “F1カナダGP:ゲストが誤ってチェッカーを振り残り2周で順位確定”. F1-Gate.com (2018年6月11日). 2018年6月11日閲覧。
  2. ^ “Canada”. The Official F1 Website. 2018年6月10日閲覧。
  3. ^ “F1第7戦カナダGP全20人のタイヤ選択:メルセデス勢がハイパーとウルトラを均等配分”. AUTOSPORTweb (2018年5月30日). 2018年6月10日閲覧。
  4. ^ “F1カナダGP:新たに3つ目のDRSゾーンを追加”. F1-Gate.com (2018年6月6日). 2018年6月10日閲覧。
  5. ^ “【F1】 ピットレーンクローズの時間を30分前に変更”. F1-Gate.com (2018年6月8日). 2018年6月10日閲覧。
  6. ^ “F1カナダGP:トロロッソ・ホンダを含む10名が新パワーユニットを投入”. F1-Gate.com (2018年6月9日). 2018年6月10日閲覧。
  7. ^ 本年よりMGU-Kは年間2基に減らされており、3基目以上はグリッド降格ペナルティが科せられる。
  8. ^ “レッドブル、ダニエル・リカルドのMGU-Kのパーツ交換でペナルティ回避”. F1-Gate.com (2018年6月9日). 2018年6月10日閲覧。
  9. ^ “メルセデス、カナダGPでのアップグレード版F1パワーユニット導入を断念”. F1-Gate.com (2018年6月7日). 2018年6月10日閲覧。
  10. ^ ルーベンス・バリチェロジェンソン・バトンミハエル・シューマッハに次ぐ。
  11. ^ 2005年アメリカGP2017年ロシアGPは決勝でスタートしていないため、スタート回数は298となる。
  12. ^ “アロンソ、300戦目のグランプリへ。「まだまだF1への情熱を失っていない」と引退説を一蹴”. AUTOSPORTweb (2018年6月8日). 2018年6月10日閲覧。
  13. ^ “F1カナダGP FP1:トップはフェルスタッペン、トロロッソ・ホンダのガスリーは10番手発進”. AUTOSPORTweb (2018年6月8日). 2018年6月10日閲覧。
  14. ^ “Entry List”. FIA (2018年6月7日). 2018年6月10日閲覧。
  15. ^ “FORMULA 1 GRAND PRIX HEINEKEN DU CANADA 2018 - PRACTICE 1”. The Official F1 Website (2018年6月8日). 2018年6月10日閲覧。
  16. ^ “グロージャン、予選でのトラブルは”いつか経験すべきもの”と一笑に付す”. motorsport.com (2018年6月10日). 2018年6月10日閲覧。
  17. ^ “ピエール・ガスリー 「旧スペックのPUに戻したことで予選は厳しかった」”. F1-Gate.com (2018年6月10日). 2018年6月10日閲覧。
  18. ^ a b “ピエール・ガスリー、新スペックのF1エンジン搭載で10グリッド降格”. F1-Gate.com (2018年6月11日). 2018年6月11日閲覧。
  19. ^ “FORMULA 1 GRAND PRIX HEINEKEN DU CANADA 2018 - QUALIFYING”. The Official F1 Website (2018年6月9日). 2018年6月10日閲覧。
  20. ^ “Steward Decision Doc24 - P.Gasly”. FIA (2018年6月10日). 2018年6月11日閲覧。
  21. ^ “Steward Decision Doc18 - R.Grosjean”. FIA (2018年6月9日). 2018年6月10日閲覧。
  22. ^ “ベッテルがポール・トゥ・ウインで通算50勝!”. ESPN F1 (2018年6月11日). 2018年6月11日閲覧。
  23. ^ “カナダGP決勝:ベッテルが完璧なレースで通算50勝。ガスリーは11位”. motorsport.com (2018年6月11日). 2018年6月11日閲覧。
  24. ^ “FORMULA 1 GRAND PRIX HEINEKEN DU CANADA 2018 - RACE RESULT”. The Official F1 Website (2018年6月10日). 2018年6月11日閲覧。
  25. ^ “FORMULA 1 GRAND PRIX HEINEKEN DU CANADA 2018 - FASTEST LAPS”. The Official F1 Website (2018年6月10日). 2018年6月11日閲覧。
  26. ^ “Lap Chart”. FIA (2018年6月10日). 2018年6月11日閲覧。
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