2021年メキシコシティグランプリ

メキシコの旗 2021年メキシコシティグランプリ
レース詳細
日程 2021年シーズン第18戦
決勝開催日 11月7日
開催地 エルマノス・ロドリゲス・サーキット
メキシコの旗 メキシコ メキシコシティ
コース長 4.304km
レース距離 71周 (305.354km)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:15.875
ファステストラップ
ドライバー フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス
タイム 1:17.774(69周目)
決勝順位
優勝
2位
3位

2021年メキシコシティグランプリ: 2021 Mexico City Grand Prix)は、2021年のF1世界選手権第18戦として、2021年11月7日エルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催された。

正式名称は「Formula 1 Gran Premio De La Ciudad De México 2021[1]

背景

グランプリの名称について
2015年にF1カレンダーに復帰して以降、メキシコ政府の財政支援が行われてきたが、開催契約が切れる2019年を以て打ち切る方針が示され、2020年以降の開催が危ぶまれていた[2]。しかし、メキシコ出身のドライバーであるセルジオ・ペレスの存在や、民間からの支援が集まったこと、加えてメキシコシティ市からのサポートもあり、2022年までの開催契約が結ばれた。併せてメキシコシティ市のサポートを強調するために正式名称を「メキシコシティグランプリ」に改められた[3]。その初年度となる2020年は新型コロナウイルス感染症の世界的流行により中止となったため、2021年にメキシコシティGPとして初めて開催された。
レース前のチャンピオンシップ順位
ドライバーズタイトルはフェルスタッペンが前戦で優勝し、ハミルトンに対して12ポイント差まで広げている。コンストラクターズタイトルは前戦の結果でレッドブルが1位・3位、メルセデスが2位・6位だったことから、レッドブルが23ポイント差まで縮めている[4]
タイヤ
本レースでピレリが持ち込むドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C2、ミディアム(黄):C3、ソフト(赤):C4の中間の組み合わせ[5]
DRS:3箇所[6]
  • DRS1:ターン11から80m先より(ターン9から70m先)
  • DRS2:ターン17から323m先より(ターン15の出口)
  • DRS3:ターン3から116m先より(DRS2と同じ)
※()内は検知ポイント

エントリーリスト

レギュラーシートについては前戦アメリカGPから変更なし。

エントリーリスト
チーム No. ドライバー コンストラクター シャシー パワーユニット
ドイツの旗 メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワンチーム 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス W12Eパフォーマンス M12Eパフォーマンス
77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス
オーストリアの旗 レッドブル・レーシング・ホンダ 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル RB16B RA621H
11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス
イギリスの旗 マクラーレンF1チーム 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド マクラーレン MCL35M M12Eパフォーマンス
4 イギリスの旗 ランド・ノリス
イギリスの旗 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 18 カナダの旗 ランス・ストロール アストンマーティン AMR21 M12Eパフォーマンス
5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル
フランスの旗 アルピーヌF1チーム 14 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ A521 E-Tech 20B
31 フランスの旗 エステバン・オコン
イタリアの旗 スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ1 16 モナコの旗 シャルル・ルクレール フェラーリ SF21 065/6
55 スペインの旗 カルロス・サインツ
イタリアの旗 スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ 22 日本の旗 角田裕毅 アルファタウリ AT02 RA621H
10 フランスの旗 ピエール・ガスリー
スイスの旗 アルファロメオ・レーシング・オーレン 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン アルファロメオ C41 065/6
99 イタリアの旗 アントニオ・ジョヴィナッツィ
アメリカ合衆国の旗 ウラルカリ・ハースF1チーム 9 ロシア自動車連盟 ニキータ・マゼピン ハース VF-21 065/6
47 ドイツの旗 ミック・シューマッハ
イギリスの旗 ウィリアムズ・レーシング 63 イギリスの旗 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ FW43B M12Eパフォーマンス
6 カナダの旗 ニコラス・ラティフィ
ソース:[7]
  • ^1 – EU圏外でのレースなのでチーム名にミッション・ウィノウが明記されている[8][9]


フリー走行

FP1[10]
11月5日 11:30 CST(UTC-6)
トップはバルテリ・ボッタス、2番手にルイス・ハミルトン、3番手にマックス・フェルスタッペン。最終ターン16でシャルル・ルクレールとセルジオ・ペレスがリアからバリアへ衝突、デブリ回収のためにVSCが導入された。
FP2[11]
11月5日 15:00 CST(UTC-6)
トップはマックス・フェルスタッペン、2番手にバルテリ・ボッタス、3番手にルイス・ハミルトン。FP1に比べ路面状況は改善したものの、ニコラス・ラティフィが最終ターン16でコントロールを失う場面は観られた。
FP3[12]
11月6日 11:00 CST(UTC-6)
トップはセルジオ・ペレス、2番手にマックス・フェルスタッペン、3番手にルイス・ハミルトン。ペレスとの差が0.65秒と伝えられたハミルトンが困惑するなど、レッドブル勢とメルセデス勢で大きな差がついたセッションとなった。

予選

11月6日 14:00 CST(UTC-6)(文章の出典[13]

ポールはバルテリ・ボッタス、0.145秒差で2番手にルイス・ハミルトン、0.35秒差で3番手にマックス・フェルスタッペンとなった。Q1でターン17で姿勢を乱したランス・ストロールが外側のバリアへ激突し、車両やデブリ、バリアの交換などで25分以上中断した。

予選結果

順位 No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:16.727 1:16.864 1:15.875 1
2 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:17.207 1:16.474 1:16.020 2
3 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 1:16.788 1:16.483 1:16.225 3
4 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス レッドブル-ホンダ 1:17.003 1:17.055 1:16.342 4
5 10 フランスの旗 ピエール・ガスリー アルファタウリ-ホンダ 1:16.908 1:16.955 1:16.456 5
6 55 スペインの旗 カルロス・サインツ フェラーリ 1:17.517 1:17.248 1:16.761 6
7 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 1:17.719 1:17.092 1:16.763 7
8 16 モナコの旗 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:16.748 1:17.034 1:16.837 8
9 22 日本の旗 角田裕毅 アルファタウリ-ホンダ 1:17.330 1:16.701 1:17.158 171
10 4 イギリスの旗 ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 1:17.569 1:17.473 1:36.830 181
11 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル アストンマーティン-メルセデス 1:17.502 1:17.746 9
12 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン アルファロメオ-フェラーリ 1:17.606 1:17.958 10
13 63 イギリスの旗 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ-メルセデス 1:17.958 1:18.172 162
14 99 イタリアの旗 アントニオ・ジョヴィナッツィ アルファロメオ-フェラーリ 1:17.897 1:18.290 11
15 31 フランスの旗 エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 1:18.126 1:18.405 191
16 14 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 1:18.452 12
17 6 カナダの旗 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 1:18.756 13
18 47 ドイツの旗 ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 1:18.858 14
19 9 ロシア自動車連盟 ニキータ・マゼピン ハース-フェラーリ 1:19.303 15
20 16 カナダの旗 ランス・ストロール アストンマーティン-メルセデス 1:20.873 201
107% time: 1:22.097
ソース:[14][15]
追記
  • ^1 – オコン、ストロール、角田、ノリスは追加のパワーユニットを使用したため最後尾からのスタート[16]
  • ^2 – ラッセルは新しいギアボックスを使用したため5グリッド降格[16]

決勝

11月7日 13:00 CST(UTC-6)(文章の出典[17]) 優勝はマックス・フェルスタッペンで今季9勝目を飾り、メキシコグランプリでの最多勝に並んだ。2位にルイス・ハミルトン、3位にセルジオ・ペレスとなり、メキシコ人ドライバーが母国で表彰台に初めて登った。

レースは3番手のフェルスタッペンが抜群のスタートでメルセデス勢と共にスリーワイドのままターン1へ向かい、アウトからメルセデス2台を抜き去った。後方ではボッタスとリカルドの接触を起因とするクラッシュが発生し、オコンに追突された角田とシューマッハがリタイアとなった。5周目でレース再開されたが、フェルスタッペンは2番手以下を引き離した。2番手のハミルトンは終始タイヤのデグラデーションに苦しんだが、ペレスの追撃を許すことなく2位でゴールした。ポールスタートだったボッタスは、前述の接触により最後尾まで落ちたが、最終周にファステストラップを記録しフェルスタッペンのファステストポイント獲得を阻んだ。

レース結果

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 Grid Pts.
1 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 71 1:38:39.086 3 25
2 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス 71 +16.555 2 18
3 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス レッドブル-ホンダ 71 +17.752 4 15
4 10 フランスの旗 ピエール・ガスリー アルファタウリ-ホンダ 71 +63.845 5 12
5 16 モナコの旗 シャルル・ルクレール フェラーリ 71 +81.037 8 10
6 55 スペインの旗 カルロス・サインツ フェラーリ 70 +1 Lap 6 8
7 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル アストンマーティン-メルセデス 70 +1 Lap 9 6
8 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン アルファロメオ-フェラーリ 70 +1 Lap 10 4
9 14 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 70 +1 Lap 12 2
10 4 イギリスの旗 ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 70 +1 Lap 18 1
11 99 イタリアの旗 アントニオ・ジョヴィナッツィ アルファロメオ-フェラーリ 70 +1 Lap 11
12 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 70 +1 Lap 7
13 31 フランスの旗 エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 70 +1 Lap 19
14 18 カナダの旗 ランス・ストロール アストンマーティン-メルセデス 69 +2 Laps 20
15 77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス メルセデス 69 +2 Laps 1
16 63 イギリスの旗 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ-メルセデス 69 +2 Laps 16
17 6 カナダの旗 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 69 +2 Laps 13
18 9 ロシア自動車連盟 ニキータ・マゼピン ハース-フェラーリ 68 +3 Laps 15
Ret 47 ドイツの旗 ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 0 アクシデント 14
Ret 22 日本の旗 角田裕毅 アルファタウリ-ホンダ 0 アクシデント 17
ソース:[18][19][20]

第18戦終了時点のランキング

ドライバーズ・チャンピオンシップ
順位 ドライバー ポイント
1 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン 312.5
2 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン 293.5
3 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス 185
4 メキシコの旗 セルジオ・ペレス 165
5 イギリスの旗 ランド・ノリス 150
ソース:[21]
コンストラクターズ・チャンピオンシップ
順位 コンストラクター ポイント
1 ドイツの旗 メルセデス 478.5
2 オーストリアの旗 レッドブル-ホンダ 477.5
1 3 イタリアの旗 フェラーリ 268.5
1 4 イギリスの旗 マクラーレン-メルセデス 255
5 フランスの旗 アルピーヌ 106
ソース:[21]

DHLファステストラップアワード
順位 ドライバー 獲得数
1 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン 5
2 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン 4
3 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス 4
4 メキシコの旗 セルジオ・ペレス 1
5 フランスの旗 ピエール・ガスリー 1
ソース:[22]

  • :いずれもトップ5まで掲載。
  • :ファストテストラップアワードは同数の場合、カウントバック方式がとられている。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

出典

  1. ^ “Mexico City Grand Prix 2021 - F1 Race”. The Official F1 Website. 2020年10月26日閲覧。
  2. ^ “メキシコGP主催者、開催継続に必要な財政を保証できず。2019年限りでカレンダー脱落の可能性が浮上”. www.as-web.jp (2019年3月5日). 2021年11月11日閲覧。
  3. ^ “メキシコでのF1開催契約が2022年まで延長。正式名称はメキシコシティGPに”. motorsport.com (2019年8月9日). 2021年11月6日閲覧。
  4. ^ “F1アメリカGP決勝後ポイントランキング:フェルスタッペンがリードを拡大、レッドブル・ホンダはメルセデスに詰め寄る”. Formula1-Data (2021年10月25日). 2021年11月5日閲覧。
  5. ^ “ピレリ、2021年シーズンの各F1グランプリに持ち込むタイヤコンパウンドを一挙発表”. jp motorsport.com (2021年2月19日). 2021年10月26日閲覧。
  6. ^ “2021 Mexican Grand Prix - Circuit Map.pdf” (英語). FIA.com. 2021年11月4日閲覧。
  7. ^ 『F1速報 2021年9月16日号 2021年 第12戦 ベルギーGP号』株式会社三栄、2021年9月2日、73頁。 
  8. ^ “フェラーリ、『ミッション・ウィノウ』ロゴをEU圏のレースで使用せずも、フィリップ・モリスとは関係良好?”. jp motorsport.com (2021年6月24日). 2021年10月22日閲覧。
  9. ^ “2021 Mexican Grand Prix - Entry List.pdf” (英語). FIA.com. 2021年11月5日閲覧。
  10. ^ “レッドブル、メルセデスに僅差の3-4発進…トップ5にホンダ勢3台 / F1メキシコGP《FP1》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年11月6日). 2021年11月8日閲覧。
  11. ^ “大差で最速、レッドブルが先行「悪くない」とホーナー…角田も上位でホンダ全車TOP8 / F1メキシコGP《FP2》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年11月6日). 2021年11月8日閲覧。
  12. ^ “レッドブル・ホンダ、圧倒1-2「0.65秒?」ハミルトン困惑…角田はガスリー抑え6番手 / F1メキシコGP《FP3》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年11月7日). 2021年11月8日閲覧。
  13. ^ “メルセデス大逆転!フェルスタッペン「間抜けか」身内のコースオフに…角田は3連続Q3 / F1メキシコGP《予選》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年11月7日). 2021年11月8日閲覧。
  14. ^ “FORMULA 1 GRAN PREMIO DE LA CIUDAD DE MÉXICO 2021 - QUALIFYING”. Formula 1 (2021年11月7日). 2021年11月8日閲覧。
  15. ^ “FORMULA 1 GRAN PREMIO DE LA CIUDAD DE MÉXICO 2021 - STARTING GRID”. Formula 1 (2021年11月7日). 2021年11月8日閲覧。
  16. ^ a b “PU交換の角田ら5名に降格ペナルティ/2021年F1第18戦メキシコGPグリッド”. autosport Web (2021年11月7日). 2021年11月8日閲覧。
  17. ^ “F1メキシコGP決勝:フェルスタッペンがレースを支配し今季9勝目! ペレスも母国初表彰台獲得。角田は不運のリタイヤに終わる”. jp motorsport.com (2021年11月8日). 2021年11月9日閲覧。
  18. ^ “FORMULA 1 GRAN PREMIO DE LA CIUDAD DE MÉXICO 2021 - RACE RESULT”. Formula 1 (2021年11月7日). 2021年11月9日閲覧。
  19. ^ “FORMULA 1 GRAN PREMIO DE LA CIUDAD DE MÉXICO 2021 - FASTEST LAPS”. Formula 1 (2021年11月7日). 2021年11月9日閲覧。
  20. ^ 『F1速報2021年総集編』株式会社三栄、2021年12月28日、188頁。 
  21. ^ a b “2021 Formula One Mexican Grand Prix”. motorsportSTATS (2021年11月7日). 2021年11月9日閲覧。
  22. ^ “2021 DHL FASTEST LAP AWARD”. Formula 1 (2021年10月24日). 2021年10月26日閲覧。
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